「ほしい」で、終わらせない。
中高生の「こうしてほしい」を、聞かれて終わる声にはしません。必要性や実現方法を調べ、政策に変え、必要なら請願として市議会へ。議会と市がどう考え、何を判断したのか。その結論まで確かめます。
「そうなったらいいよね」の、その先へ。
「市立図書館に、勉強できる席をもっと増やしてほしい」
「市の公共施設に、中高生が予約なしで過ごせる場所がほしい」
「冬の市道を、通学する時間までに除雪してほしい」
中高生から、こうした要望が出ることがあります。
けれど、多くは「そうなったらいいよね」で終わります。要望を聞いた大人も、その場ではうなずいてくれるかもしれません。それでも、誰が考え、どんな理由で、何を判断したのかが分からないまま、声はいつの間にか消えていきます。
それでは、何も変わりません。
鶴岡少年議会は、中高生の疑問や要望を、そこで終わらせないための仕組みをつくります。
一つの要望の後ろには、山ほどの問いがある。
たとえば、市の公共施設に、中高生が自由に過ごせる場所をつくってほしいとします。
実際に、何人の中高生が必要としているのか。どの地域にあれば利用しやすいのか。すでに使える施設はないのか。現在の施設では、なぜ不十分なのか。
空いている部屋を使えるのか。予約なしで開放できるのか。管理する人は必要か。利用時間を何時までにするのか。安全面や騒音の問題はどうするのか。新たに必要となる費用はいくらなのか。
一つの「ほしい」の後ろには、山ほどの問いがあります。
だからこそ、要望だけで終わらせず、本当に困っている人の数や原因を調べ、実現できる方法を考えます。
市の外にいるから、市へ問える。
鶴岡少年議会は、市が運営する事業ではありません。中高生が立ち上げた、市から独立した民間団体です。
市が運営する意見交換の場では、意見を受け取る側も市です。何をテーマにするのか、どこまで調べるのか、いつまで追いかけるのかが、市側の設計に左右されることもあります。
しかし、私たちは、市にとって答えやすいテーマだけを選ぶ必要はありません。
何を調べるのか。誰に話を聞くのか。どこまで問い続けるのか。それを決めるのは、私たち自身です。
「予算がない」「すぐには難しい」と言われても、そこで終わらせません。何にいくら必要なのか。どの条件が整えば実現できるのか。いつなら、もう一度検討できるのか。その先まで確かめます。
市から独立しているのは、市と対立するためではありません。
自分たちで問いを立て、必要なときには市議や市職員と協力しながら、対等な立場で政策を考えるためです。市の外にいるからこそ、市の判断を確かめ、伝え、追い続けることができます。
本気で調べれば、請願まで持っていける。
調査によって必要性を確かめ、実施する方法や費用、担当する部署まで整理できれば、その政策を「請願」として市議会へ提出することもできます。
請願に年齢制限はありません。紹介議員を得て提出された請願は、担当する委員会で審査され、最終的に本会議で採択か不採択かが決められます。希望する場合は、委員会で自分たちの意見を述べるための申し出もできます。
採択され、市長などに送付された請願については、議会から、その趣旨の実現と対応状況の報告が求められます。
賛成なのか。反対なのか。難しいなら、何が難しいのか。
中高生の要望に対して、議会と市が考え、判断を下したことを、誰にでも見える形で残すことができます。
結論から、逃がさない。
私たちは、市にすべての要望を受け入れさせたいわけではありません。
十分に調べた結果、実現できないこともあります。不採択になることもあります。自分たちの考えが間違っていたと分かることもあるでしょう。
それでも、曖昧な返事のまま終わることとは、まったく違います。
できるのか、できないのか。
やるのか、やらないのか。
その理由は何なのか。
中高生の疑問や要望に、議会と市が向き合い、判断したことを確認する。そして、その判断を記録として残します。
「声は聞きました」で、終わらせない。
「検討します」の先まで、確かめる。
鶴岡少年議会は、問いを出した私たち自身も、答える議会や市も、結論から逃がしません。
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